おにぎりを1時間に300個作る。ライブ感重視した「ロボット」のスゴい実力
不二精機が開発
不二精機(福岡市博多区、青木太志社長)は、職人の握り加減を再現する、おにぎりロボット「おにぎり達人=写真」を中小規模店向けに開発、3月に発売する。おにぎり成形まで手を触れずに作るため衛生的。店先に置くことで新型コロナウイルス感染症対策に取り組む姿勢をアピールできる。生産能力は毎時300個と、人手の3倍。消費税抜きの価格は300万円程度を予定。コロナ禍の対応として、持ち帰り可能なおにぎりの販売を始めた外食店などに売り込む。
外形サイズは幅1060ミリ×奥行き690ミリ×高さ877ミリメートル。約200個のおにぎりを作れる大容量飯ホッパーに炊飯米を投入し、遠赤外線ヒーターで米飯温度を70度C以上に保ちつつ、規定サイズのおにぎりを連続的に提供する。
ふっくらしたおにぎりや、固く握ったおにぎりなど4段階で調節が可能。おにぎりの3点を均一に結ぶ「手包み3点結び」と呼ばれる職人技を再現できるよう、力加減を調節する。飯量や握り加減は全16パターンから調整できる。
不二精機は大手コンビニエンスストアのベンダーの大半に、高速のおにぎりロボットを納入している。大手向けの市場が成熟化してきたため、川下の中小店の開拓を目指す。
おにぎり達人は中小店向けのため「ライブ感」を重視。注文からできあがるまで約12秒間の工程を利用客側から見られるようにし「目の前で、できたてをアピールできる」(不二精機)としている。
日刊工業新聞2022年2月28日