EV部品開発で一手、精密金型メーカーが国内で初の樹脂成形工場
不二精機は三重県鈴鹿市の御薗工業団地に樹脂成形工場(写真)を新設する。樹脂成形の国内工場は同社初。2022年4月に稼働する予定。新拠点ではCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)領域に対応した部品開発にも取り組む。自動車メーカーが集積する東海地域に拠点を構え、自動車向け成形品の受注拡大につなげる。
同社はティア1(自動車メーカーと直接取引する部品メーカー)と協業する形で電気自動車(EV)関連部品の開発を協議している。決まり次第、新工場で開発から試作、量産まで行う。品質管理や製造工程の自動化システムなども設備メーカーと共同で開発する。
不二精機は精密金型メーカー。精密成形品事業で車部品を手がけ、タイやインドネシアに成形工場を持つ。国内新工場を中核拠点に位置付け、タイやインドネシアの工場に技術移転し、生産性向上につなげる考えだ。
新工場は工業団地内の空き工場を利用。延べ床面積は1676平方メートル。投資額は3億数千万円。内・外装を改修し、射出成形機を3台設置した。人員は国内他拠点からの異動に加え、品質管理や成形などにノウハウのある人材を外部から採用。受注状況に合わせ設備と従業員を拡充する。
同社は成形事業が売上高の半分強を占める。そのうち自動車関連部品が約8割。自動車向けの部品成形を成長分野と捉え、車載用の電気・電装関連部品への参入を目指す。
日刊工業新聞2021年12月14日