「おにぎり工場」に欠かせないロボットたちの実力

シノブフーズが自動化推進

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おにぎりの具材を自動で充填する

シノブフーズは、弁当やおにぎりなどを製造する関西工場(大阪市西淀川区)で、調理から盛り付け、炊飯、配送業務の自動化を推し進めている。働き手の確保が難しくなる中、1日ごとに生産量が変化する工場において「安定した生産性を維持するために自動化設備は欠かせない投資」(樋口宏志関西統轄本部長付部長)とする。(大阪・池知恵)

シノブフーズ関西工場のおにぎり製造工程では、包装や形ごとに計15ラインが導入されており、その約8割が自動化を実現している。ご飯の成形から重さの確認、具の充填、フィルム包装、ラベルの検品、箱詰めまでほぼ無人だ。1ラインに1―3人で対応できる。

画像処理対応のセンサー類を用いて具が入っているかの確認や、包装に空気の抜け漏れがないかを確認するロボットなどが活躍する。従来設備の省力化にも取り組み、電圧を従来型の約半分の100ボルトに抑えつつ容積率も同65%になった自動箱詰め機では、完成したおにぎりを複数個にまとめて箱詰めする。

従来は、おにぎりに人が手で穴を開けて具材を入れたり、箱詰め後に一つひとつ包装の空気の抜け漏れがないかのチェックなどを行っていた。多くの人手と時間を必要とした。

関西工場では新商品の投入時期や季節、天候により「日産で4倍の増減差があることが普通だ」(同)という。生産の増減に合わせ、人の配置や採用を決めることは時間もお金もかかる。自動化設備であれば、ラインを一時的に間引いたり、日によって増設対応ができたりするので「売り上げの増減に関係なく、生産性を安定させられる」(同)ことが強みとなっている。

配送業務における、配送用プラスチックケース(バッカン)のバラシ作業や、積み上げ作業の自動化も進めている。

袋詰め・ラベル貼付工程を経たおにぎりを自動で箱詰めする

完成した総菜は、配送ルート別にケースに仕分けされる。その際に空のケースを一つずつバラシたり、仕分け後のケースをトラックに荷積みしやすいように人手で最大11段に積み上げる必要がある。仕分け後の1ケース当たりの重量は5キログラム以上にのぼる。自動化設備の導入により「足腰の負担が大きい作業を軽減させる」(同)ことも狙う。

ただ全てを自動化することが最適ではない場合もある。弁当の盛り付けラインでは、今でも1ラインに約10数人が配置されている。総菜の形が不定形であるため、ロボットが正確に具材を認識し、トレーに盛り付けるには現在の画像処理技術では限界があるためだ。

樋口部長は「自動化できる部分にはどんどん(自動化設備を)入れる一方、適切な人材配置が生産性向上の要となる」と話す。

中食工場で働く従業員の確保は、コロナ禍でさらに困難を極めている。工場で働く従業員のうち6割は外国人の技能実習生や留学生が占めており、残る4割でも従業員の高齢化が進む。

同社は自動化設備で作業を標準化し、年齢や国籍に関わりなく働きやすい環境を目指す。


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日刊工業新聞2021年11月25日

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