“異例”の見解提示、トヨタ春闘で社長が満額回答示唆
全トヨタ労働組合連合会(全トヨタ労連、鶴岡光行会長)に加盟するトヨタ自動車グループの製造系の各労使は23日、今春闘の第1回労使交渉を実施した。トヨタの交渉では豊田章男社長が「(要求のあった)賃金、賞与について組合と会社に認識の相違はない」と、満額回答の可能性を示唆。他のトヨタ系労使や自動車業界全体に、処遇改善の流れを波及させたいとの考えを示した。
正式回答は3月16日だが、初回交渉で要求に対する見解を示すのは異例だ。全トヨタ労連の坂神孝明副事務局長はトヨタの交渉を受け「早期決着ではなく課題解決に焦点を当てた議論になるよう、加盟組合に丁寧に説明したい」と話した。同時に「要求は会社にも受け入れられている状況だ」と、今後の交渉に向け手応えを見せた。
日刊工業新聞2022年2月24日