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TSMC・ソニー半導体合弁に参画するデンソーの目論見

TSMC・ソニー半導体合弁に参画するデンソーの目論見

台湾TSMCの製造ライン(同社公式サイトより)

400億円出資

デンソーが、ソニーグループと台湾積体電路製造(TSMC)が手がける半導体合弁事業への参画を決めた。約3億5000万ドル(約400億円)を投じて10%超を出資し、第3位の株主となる予定だ。電動化や自動運転の進展で半導体の重要度が質・量ともに高まる中、中長期の安定調達に手を打つ。先端技術を持つパートナーを得て、2025年以降に本格化する次世代自動車市場に備える。

デンソーは熊本県に設立する半導体製造受託サービス会社「ジャパン・アドバンスド・セミコンダクター・マニュファクチャリング(JASM)」に出資する予定で、まずは4月25日に初回の払い込みを実施する。出資完了時期は未定。JASMは年内に建設を始め、24年末までの生産開始を目指している。

またTSMCは当初約70億ドル(約8000億円)としていた設備投資額を、約86億ドル(約9800億円)に引き上げる。計画している回路線幅22ナノ―28ナノメートル(ナノは10億分の1)に加え、同12ナノ―16ナノメートルの半導体も製造できるようにし、月産能力を当初公表比1万枚増の5万5000枚(300ミリメートルウエハー換算)に増やす。

今回のデンソーの出資分は28ナノメートル品が対象。電子制御ユニット(ECU)用マイコンなどに利用し、26年以降の市場投入を目指す方針だ。製造への関与など詳細は未定だが、人員派遣は予定していないという。

車載ECUやセンサーなどを手がけるデンソーは、トヨタ自動車グループにおけるエレクトロニクス領域の要だ。自社での内製のほか、18年にルネサスエレクトロニクスへの出資比率を引き上げ、20年にはトヨタと共同出資する車載半導体の先行開発会社を設立。半導体事業を着実に拡大してきた。足元では半導体不足が車生産に影響を与えているが、1台当たりの半導体使用量は増えている。半導体設計・調達の巧拙は今後の競争力を左右する。内製とパートナー戦略の両輪で、事業強化を加速する構えだ。


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日刊工業新聞2022年2月17日

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