実質賃金、コロナ減から反動増も「厳しい情勢」
厚生労働省が発表した2021年の毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上)によると、名目賃金から物価変動の影響を除いた実質賃金は月平均で、前年比横ばいとなり、2年連続のマイナスから上昇した。前年のマイナス幅が大きかったことで、反動増となった。ただ、新型コロナウイルス感染症拡大前の19年の水準には戻っていないことから、厚生労働省は「厳しい情勢は続いている」とみている。
21年の月平均の現金給与総額(名目賃金)は、同0・3%増の31万9528円。そのうち、所定内給与(基本給)は、同0・3%増の24万5738円と増加した。一方、所定外給与は、同3・8%増の1万8023円。特別に支払われた給与は、同0・7%減の5万5767円と落ち込んだ。
1人平均の総実労働時間は、一般労働者が同1・1%増の162・1時間、パートタイム労働者は同0・7%減の78・8時間。製造業の所定外労働時間は同14・1%増だった。
常用雇用指数は同1・2%増の110・3で、17年連続の増加となった。パートタイム労働者の比率は、同0・15ポイント上昇の31・28%で2年ぶりに上昇。
21年12月単月の実質賃金は前年同月比2・2%減と4カ月連続のマイナス。名目賃金の現金給与総額も同0・2%減だった。
日刊工業新聞2022年2月9日