スマート農機の開発加速する井関農機、先端技術への挑戦の今とこれから

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自動走行が可能な井関農機のロボットトラクター

井関農機は2025年12月期までに、全発明提案に占める先端技術関連の割合を60%以上に引き上げることを目指す。現在の割合は40%程度。農家の高齢化や人手不足を背景に、ロボットや情報通信技術(ICT)などを活用したスマート農業の重要性が今後ますます高まるとみて、人材育成や知的財産を活用した商品開発を急ぐ。

特許庁の「特許行政年次報告書2021年版」によると、特許の日本における分野別登録数で、井関農機は2020年の「その他の特殊機械分野」で2位だった。また特許査定率は全産業中1位になるなど、技術開発に注力している。

スマート農機関連の特許技術では、これまでに自動走行するロボットトラクターの障害物センサー、土壌センサーを搭載した可変施肥田植機、操作に不慣れな人でもまっすぐ進める直進アシストレバーなどを開発、商品化している。環境対応としての電動化にも取り組んでいる。

農業現場の高齢化や労働力不足の問題を解決するには、生産性向上が不可欠だ。スマート農業は先端技術を活用したソリューションとして期待されており、井関農機も重点分野として取り組んでいる。同社で発明提案される件数は年間約2万件で、うち同6000件を採用。将来の社会環境や事業の実現性を加味しながら社内で審査し、実効性の高い発明を権利化している。技術保護とともに商品の優位性を高める。

人材育成は松山市の設計基本技術トレーニングセンター(IETC)、ISEKIテクニカルトレーニングセンター(ITTC)などで進めている。関連人材は年間500人程度。「機械開発は技術だけ詳しくても駄目で、農業経験が不可欠」(井関農機)との考えから、グループ全体のレベル向上を推進。人工知能(AI)やITに詳しい人材の採用のほか、外部有識者との交流を進める。

日刊工業新聞2022年2月8日

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