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新会社設立や買収活発、富士テクノHDのグループ戦略

富士テクノソリューションズは2021年10月に持ち株会社制へ移行した。同社は上場を廃止、代わって持ち株会社の富士テクノホールディングス(HD)が東京プロマーケットに上場した。富士テクノHDには事業会社の富士テクノソリューションズなど5社が傘下に入り、新たな富士テクノグループとなった。創業者の高井男富士テクノHD会長は、事業会社が対等な関係で並び「各社が得意な業種のユーザーを開拓し成長につなげる」ことが狙いだと語る。

グループを構成する事業会社は富士テクノソリューションズ(神奈川県厚木市)、エフティ・ファインテックプロダクト(同)、富士ミライ(同)、横芝(東京都中央区)、中日本技研(名古屋市中区)の5社。うち富士ミライは21年設立で、中日本技研は同年買収によりグループへ加わった。

富士テクノグループは近年、持続的な成長や東京証券取引所への上場替えを目指し積極的な事業拡大を進めている。持ち株会社制への移行は、新市場開拓に向け新会社設立や買収でさらにグループ企業が増えることを考慮し、グループ全体の在り方を再構築することが理由にある。併せて「グループ各社の事業内容や将来像を分かりやすく外部に伝え、知名度とブランド力を高める」(高井会長)ことにも取り組んでいく。

富士テクノソリューションズと横芝は情報処理請負事業や雇用契約を締結したエンジニアをメーカーに派遣する技術者派遣事業を手がける。エフティ・ファインテックは3DプリンターやCAD関連ソフトの販売と、環境構築・運用コンサルティング。富士ミライはクラウド環境などの技術を使いユーザーのデジタル変革(DX)対応をサポートする。中日本技研は中部地方を基盤に、航空宇宙、産業機械、自動車などの分野で情報処理請負と技術者派遣事業を手がける。

5社は人材が持つ技術力が事業の源泉ということで共通する。技術力を生かし成長路線を維持する。

日刊工業新聞2022年1月20日

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