「運輸」に7社統合、ヤマトHDの顧客ニーズへの向き合い方

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ヤマトホールディングス(HD)は4月、ヤマトロジスティクス、ヤマトグローバルエキスプレスなどグループ会社7社をヤマト運輸に統合した。一方で引っ越し事業会社を2022年に譲渡することも決定。「社会環境の急激な変化や電子商取引(EC)が拡大する中、顧客ニーズの変化にしっかりと向き合うためにグループの経営資源をヤマト運輸に集約」(寺沢敦ヤマト運輸執行役員)し、中核事業をさらに強化していく。

7社を統合したヤマト運輸ではリテール部門と法人部門に大別した上で、リテール、法人、グローバルSCM、ECの事業本部を設置。これを支える輸送、デジタル、プラットフォーム、プロフェッショナルサービスの四つの機能本部と、コーポレート部門が各事業本部などと連携する。

24年3月期を最終年度とする中期経営計画「Oneヤマト2023」では、車両やデジタル関連、オペレーションの自動化など、合計で約4000億円の投資を計画。データ分析による需要予測を精緻化するほか、予測に基づいた人員や車両の最適配置、EC化の拡大に対応した新たな配送ネットワークの構築などを進める。

「宅急便」で培ったノウハウに加えて、BツーB(企業間)ネットワーク、ロジスティクス機能などを連携させることで「従来の事業会社間の壁を取り払い、ワンストップで最適なサービスを提供していく」(寺沢執行役員)とスピード感を重視する。

当初はヤマトHDがヤマト運輸などグループ会社を吸収合併し、21年4月に純粋持ち株会社から事業会社へと移行する計画だった。ただ、新型コロナウイルスの感染拡大で事業会社化に向け行政の許認可など、手続きに遅れが生じることを見込み、ヤマトHDは持ち株会社として残すことを決定。ヤマトHDの長尾裕社長がヤマト運輸の社長も兼務し、ヤマト運輸を中核とする「Oneヤマト」体制へシフトした。新体制においてグループ経営の全体最適化を目指す。

日刊工業新聞2021年8月26日

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