ニュースイッチ

コロナ禍から持ち直した粗鋼生産、業界団体会長が語った22年度の見通し

日本鉄鋼連盟がまとめた2021年の粗鋼生産量(速報)はコロナ禍の影響からの持ち直しで、前年比15・8%増の9633万3000トンと7年ぶりに増加した。部品不足などによる自動車減産はあるものの、産業機械や建設分野などの需要は堅調に推移。ただ現状は、より強いニーズがあっても高炉各社が余剰生産能力を圧縮しており、年1億トン超の生産は難しい状況だ。

21年生産の内訳は、高炉3社による転炉鋼は同16・0%増の7194万5000トンで5年ぶり増、その他鉄鋼メーカーの電炉鋼は同15・4%増の2438万8000トンで3年ぶり増。転炉鋼の伸び率が電炉鋼より高いのは、需要減で高炉の一時休止が相次いだ前年の反動とみられる。

21年12月の粗鋼生産全体は前年同月比5・4%増の793万4400トンで、10カ月連続のプラスとなった。

22年度の生産見通しを鉄連の橋本英二会長(日本製鉄社長)は「21年度見込み並みの9500万―9700万トン程度」と予測する。

日刊工業新聞社2022年1月24日

編集部のおすすめ