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「EV自動充電」事業化へ、三菱商事が実証するシステムの仕組み

「EV自動充電」事業化へ、三菱商事が実証するシステムの仕組み

ダイナミックプライシングに対応、EVの充電タイミングを最適化する

三菱商事は国内の家庭・自治体向けに、電気自動車(EV)の充電するタイミングを最適化するサービスに乗り出す。EVとシステムを接続し、利用者が設定した時間などに合わせて自動的に充電できるようにすることで電気代を削減できる。今春から数十台程度を対象に実証を始め、事業化の時期など詳細を今後詰める。将来的にはEVだけでなく家庭用蓄電池や家電の最適化制御も検討する。

三菱商事グループの英OVOグループが開発したシステム「KALUZA(カルーザ)」を活用する。需給状況の変化に応じて電力料金が変動する「ダイナミックプライシング」に対応する。電気料金が安くなる夜間に充電し、翌日の朝までに完了させるなど、EVの利用パターンを事前に登録して使う。

まずは米テスラといった海外製EVが対象。三菱自動車などの日系OEM(相手先ブランド生産)と同システムの導入に向けて協議を進める。

三菱商事グループのMCリテールエナジー(東京都千代田区)や三菱自動車などは、これまでもダイナミックプライシングの実用化に向けた実証を行ってきた。国内でEVの普及が拡大することを見込み、需給調整システムによるエネルギーマネジメント事業をさらに強化する。

三菱商事は2019年に英OVOグループへ出資参画した。同社は英国の400万世帯を対象に、デジタル技術を使い利用プランを提案するといった電力・ガスの小売りサービスを展開する。

日刊工業新聞2022年1月21日

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