自動運転に欠かせぬ高性能センサー支える。耐熱125℃の小型コネクター開発
ヒロセ電機が提案
ヒロセ電機は自動車向け小型コネクターの新製品、GT50シリーズを開発した。熱に強い材質を使用することで125度Cの耐熱性を確保。端子の形状を工夫するなどして、走行時の振動にも抜けないように耐振性を高めた。自動運転に欠かせない高性能センサー「Lidar(ライダー)」やフロントガラスに速度などの情報を映すヘッドアップディスプレー(HUD)、テールランプ向けなどでの採用を見込む。
GT50シリーズは高耐熱の樹脂や抵抗の少ない金属を使用して耐熱性を125度Cまで高めた。電線を圧着する部分の位置を工夫し、絶縁体(ハウジング)内部で端子が動くのを防ぐスタビライザーを設けることで車載コネクターに必要な耐振性も確保した。
高さ5・97ミリメートルの小型タイプ。使用するケーブル径も0・08スケアと細く、車載機器の接続に多く使用される0・3スケアを使う場合に比べ、約75%軽量化できる。
自動車の電装化などを背景に、小型で軽量でありながら耐熱性が高く、走行時の振動に耐えられる車載コネクターの需要が増加している。ただヒロセ電機によると、そうした要求を満たせる製品は少なく、サイズの大きい車載用コネクターや小型の民生機器向けコネクターを使用する需要家も多い。新製品で需要家の課題解決に貢献し、採用を目指す。
ヒロセ電機の車載向け製品が売上高に占める割合は直近で約20%。同社は産業機械やコンシューマー(スマートフォンやワイヤレスイヤホン、スマートウオッチなど)とともに成長のけん引役の一つに位置付けている。
日刊工業新聞2022年1月13日