クルマ電動化に5G、電子部品の需要拡大が止まらない

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村田製作所が5月に新設した車載部品に特化した施設。開発を加速させ、拡大する市場を取り込む

電子部品の需要拡大が続いている。半導体不足によるセットメーカーの生産調整などで一時的な減速は見られるが、受注そのものは堅調。中長期は各社とも総じて強気に見通す。電子部品最大手の村田製作所は車載向け積層セラミックコンデンサー(MLCC)などの旺盛な需要を受け、2022年3月期の設備投資額を100億円増額し、通期業績予想も上方修正した。各社とも自動車の電動化や第5世代通信(5G)需要の“大波”をたぐり寄せ、さらなる成長をもくろむ。(京都・大原佑美子、山田邦和)

MLCCで世界首位の村田製は、自動車やスマートフォン向けのMLCCなどが好調。22年3月期連結業績予想で売上高を期初予想から700億円引き上げた。「売上高、利益ともに過去最高を更新する見込み」(村田恒夫会長)。京セラも半導体製造装置向けファインセラミック部品や車載カメラの需要増などで売上高が4―6月期として過去最高を更新した。

TDKの4―6月期売上高は四半期ベースで過去最高となった。「4―6月の受注は全般的に1―3月より増加した」(山西哲司専務執行役員)。自動車向けのMLCCやインダクターなどの受注は1―3月よりわずかに減速したが、「依然フル生産が続いている」(同)。

日本電産は電気自動車(EV)向けトラクションモーターシステムが「中国、欧州顧客を中心に受注や受注確度の高い引き合いが拡大している」(関潤社長)とし、26年3月期の販売目標を30万台引き上げ280万台に上方修正した。日本航空電子工業は自動車向け製品の旺盛な需要に生産が追いつかず、足元で受注残を抱えている状況という。

一方、5Gがけん引したスマホ向けは、中華圏メーカーの在庫調整の影響が一時的に見られる。

TDKは「半導体不足に加え、東南アジア諸国での新型コロナウイルス感染再拡大で中華圏のスマホメーカーの販売台数が期初想定より10数%落ち込み、スマホ向けリチウムイオン二次電池の販売も下振れた」(山西専務執行役員)という。日本航空電子工業も同様に4―6月期はスマホ向けが1―3月期比で横ばいにとどまった。ただTDKの山西専務執行役員は「(下期には回復が進み)通年では期初見通しに近づくだろう」と予想する。

自動車業界を中心に半導体不足の影響が深刻化しており、日本電産の関社長も「収まるまでは我慢合戦。引き続きコストリダクションを強力に進める」と強調する。ただ限定的な減速感はあるものの、車載や産業用ロボット、半導体製造装置向けなどの電子部品需要は依然底堅く、当面活況が続きそうだ。

日刊工業新聞2021年7月30日

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