半導体・電子部品向け産業ガス事業に500億円投資、エア・ウォーター副社長が示した目標
エア・ウォーターは2022年度から5年間で半導体や電子部品などエレクトロニクス向けの産業ガス関連事業に500億円を投資する。半導体業界などの旺盛な設備投資に対応。国内半導体メーカー向けガス供給設備を増産するほか、ガス精製装置、熱制御機器の生産能力も5―6割増強。30年までに同事業の売上高を現状比2倍に引き上げる考えだ。
エア・ウォーターのエレクトロニクス向け産業ガス関連事業は、酸素や窒素、アルゴンなどの産業ガスを工場内や近隣に設備を置いて供給するほか、ガス純度を高める精製装置や半導体製造プロセスで排出されるガスの処理装置、半導体製造装置向け熱制御機器、成膜材料といった特殊ケミカル製品など。
半導体工場の積極的な増強投資に伴い、エア・ウォーターもガス供給設備を増産するほか、関連装置・機器などの海外需要増に対応する必要がある。
子会社でガス精製装置などを手がける日本パイオニクス(神奈川県平塚市)や、同じく半導体製造装置用の熱制御機器の日本電熱(長野県安曇野市)も、それぞれ22年度に向けて5―6割の生産能力増強を進めている。
22年度以降の投資総額を単年度で平均すると、21年度予想比2―3倍の100億円前後で推移する見通しだ。
エア・ウォーターはエレクトロニクス向けの産業ガス関連事業の売上高を現在の400億円強から「30年に現在の2倍の100兆円と予測される半導体市場の成長とともに倍増させる」(塩見由男執行役員副社長産業カンパニー長)方針だ。
日刊工業新聞2022年1月14日