活躍の場広がる手術支援ロボ「ダヴィンチ」、手術データを確認できるスマホアプリ誕生

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アプリで執刀医が鉗子の使用状況や手術時間を確認できる(イメージ、インテュイティブサージカル提供)

インテュイティブサージカル(東京都港区、滝沢一浩社長)は2月に手術支援ロボット「ダビンチサージカルシステム」での手術データをスマートフォンで確認できるアプリケーション(応用ソフト)の提供を始める。手術の際に収集したデータを術後にグラフや表で見える化することで、医師の手技の向上や効率的な手術につなげる。手術支援ロボット本体や付属品の性能だけでなく、ソフトウエアやサービス面での差別化も狙う。

今回提供するアプリ「マイ・インテュイティブ・アップ」は、ダビンチの稼働時間や各鉗子の操作時間など過去の手術データを分析し、ダッシュボードで視覚的に示す。これまで暗黙知となっていた医師の手技をデータから見える化する。時系列グラフを使って全国平均値と執刀医自身の手術データを比較することもでき、自身の習熟度や手技の特徴、立ち位置が分かる。今後習得すべき手技や必要となるトレーニングを把握するのに貢献する。アプリにはトレーニング・教育コンテンツも搭載する。アプリの利用料は無料。

アプリを利用するには、ダビンチを導入する病院がデータ活用に関する同社のプライバシーポリシーに同意することが必要となる。個人情報保護の観点から、アプリを通じて手術データにアクセスできるのは執刀医自身に限られる。

欧米ではすでにアプリの提供を開始した。手術時間の順位を表示する機能も搭載しているが、日本で展開するアプリにリリース当初から搭載するかは検討中という。滝沢社長は「アプリには拡張性があるため、今後臨床現場で求められる様々な機能を実装していきたい」と方針を話す。

ダビンチは2000年に米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得。21年12月までに67カ国で6500台以上が稼働し、1000万例以上の手術で利用された。ダビンチのトレーニングを受けた認定医は5万5000人以上にのぼる。日本では10年に薬事承認を取得し、450台以上が稼働している。

国内の手術支援ロボットをめぐっては、20年に川崎重工業とシスメックスが共同出資するメディカロイド(神戸市中央区)が参入するなど競争が激しくなっている。

日刊工業新聞2022年1月7日

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