紙や樹脂にICタグを実装できる。日本化学がスゴい「亜酸化銅ペースト」開発

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(上)ペースト化した亜酸化銅「キュアライト」(下)同製品をRFIDタグ状に印刷した状態(日本化学工業提供)

日本化学工業は大気中で電子回路などの焼成を可能にする光焼成用亜酸化銅ペースト「キュアライト」を開発した。電子回路を印刷技術で基板に形成するためのペーストで、光を照射するだけで導通し焼成できる。高温処理が不要で熱に弱い紙や樹脂などの基材に無線ICタグ(RFID)の実装が可能になり、二酸化炭素(CO2)排出量も削減する。今後、電気抵抗値を下げるなど性能を高めて製品化を目指す。

キュアライトは亜酸化銅を特定の微粒子状にペースト化した原料。電子回路に使用する銀ペーストより安価で、性能は同等以上。大気中で常温保管できる。亜酸化銅は酸化物で安定性が高く、船底塗料などに用いる。特種東海製紙と、スクリーン印刷機メーカーのマイクロ・テック(千葉県浦安市)との協業で開発した。

キュアライトをスクリーン印刷で基材に回路を形成した後、強い光(1パルスあたり2―4ジュール/平方センチメートル)を照射し、銅粒子がバルク化して導通し焼成に成功した。高温による焼成工程が不要で、熱に弱い紙やポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)などの樹脂も基材にできる。

一方、電子回路を銅箔にエッチングする従来製法に比べて抵抗値が高いのが課題。現在、製品化に向けて銅箔と同等に下げる開発を進めている。

日刊工業新聞2022年1月7日

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