住友建機が中国の工場を製缶品拠点として活用する狙い
住友建機はグローバル戦略の一環で、中国・唐山工場(河北省唐山市)の生産能力を活用する。油圧ショベルに使う製缶品の一部を、マザー工場である千葉工場(千葉市稲毛区)から移管。ショベルやアスファルトフィニッシャー(路面舗装機)の周辺国輸出も検討する。中国の建設機械市場は2020年がピークで、以後は縮小傾向が続いている。鋼材を日本より安く調達できる利点を生かし、製缶品の供給拠点として活用する。
住友建機は国内の千葉工場とインドネシアのカラワン工場(西ジャワ州カラワン県)を合わせ、世界3工場体制を敷く。年間生産能力は千葉工場が1万台で、中国は3500台、インドネシアが2000台。中国を除く世界で建機需要が回復していることを背景に千葉工場はほぼフル生産状態。拡張余力に乏しいため、中国やインドネシアの工場を活用する。
欧米や日本ユーザーは中国製の建機を好まないため、唐山工場は主に製缶品拠点として活用する。工場内で生産ライン清流化やデジタル技術活用による稼働状況の見える化など、生産革新によるコスト削減も進める。
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日刊工業新聞2021年12月24日