丸紅と大阪ガスの出資会社が販売する放射冷却・新素材の実力
丸紅と大阪ガスが出資するスペースクール(東京都港区)は、放射冷却の新素材「スペースクール」の販売について共同で検討することに合意した。タンクなどに貼り付けることで、エネルギーを用いずに内部の温度を低下させられる特徴をいかし、液化石油ガス(LPG)船舶や陸上保管用LPGタンク向けを想定。効果を検証し、丸紅グループのネットワークを活用し販売する。
スペースクールは二酸化炭素や水蒸気に吸収されにくい赤外線波長を放射するため、熱を留めず放出できる。フィルムと帆布状があり、大阪ガスによる実証実験では、直射日光が当たった状態での表面温度が外気温より最大約6度C低かったという。
高圧式LPG船舶やタンクによるプロパン、ブタンなどの輸送・保管では、高温により最大積載量や保管数量が制限されるといった課題がある。スペースクールの使用により、輸送効率の改善や品質維持のための費用削減が期待される。
日刊工業新聞2021年12月17日