廃プラがゼロに。大ガスの子会社がアクリル樹脂ポリマー粒子を高効率生産

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マイクロリアクターでポリマー粒子を製造する

大阪ガス子会社のKRI(京都市下京区、川崎真一社長)は手のひらより小さいマイクロリアクターで直径10マイクロ―3ミリメートル(マイクロは100万分の1)のアクリル樹脂ポリマー粒子を高効率生産する技術を開発した。硬化に発光ダイオード(LED)の紫外光を使う。反応釜で熱する従来方法と比べ、エネルギー量は250分の1。同じ大きさの粒子だけを作れるため、廃棄するマイクロプラスチックがなくなり、環境負荷の低減につながる。

マイクロリアクターは幅2センチ×長さ3センチメートルの樹脂製で、内部の細い流路3本が1本に集約する構造。左右の流路から出る水の量、中央の流路から吐出するアクリルモノマーの量などを調節して決まった大きさの液滴(エマルション)を作り、紫外光を当てて硬化させポリマー粒子を作る。

リアクターは液体試薬を作る際などに利用されているが、ポリマー粒子の合成で実用化されるのは珍しい。

生産設備はリアクターとポンプなどで事務机に収まる大きさ。製造時間は数十ミリ秒。反応釜の従来方法だと数時間から1日かかる。リアクターの数を変えるだけで生産量の増減に対応できるため、反応釜で生産量を変える際に必要な加工条件の検討を省ける。

設置・撤去の手間が減り、多品種少量生産に対応しやすい。設備コストは反応釜の数百万円に対し、リアクターが5万円、ポンプ2台が100万円ほど。

アクリルポリマー粒子は薬効成分を内包して投与したい部位に誘導するドラッグデリバリーシステム(DDS)や半導体部品や液晶パネル用のスペーサー、アフィニティークロマトグラフという精製装置で必要なたんぱく質を取り出すための充填剤などに使われ、大きさのそろった粒子が必要になる。

従来の製造方法はさまざまな大きさの粒子から必要なサイズだけ選び、大半を廃棄する。リアクターは粒子のバラつきが少なく全量を使える利点がある。

日刊工業新聞2021年6月10日

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