日立グループのシステム会社が全社導入を決めた「仮想オフィス」の全容
日立ソリューションズ・クリエイト(東京都品川区、竹田広光社長)は、働き方改革の一環で実証運用していた自社開発の仮想オフィスを全社導入した。実際のオフィスにいるように感じられるコミュニケーション支援機能を強化。公私のメリハリをつけながら業務効率を維持できるように改善した。
日立ソリューションズ・クリエイトはコロナ禍の在宅勤務で業務効率の低下を感じた社員の割合が高かったことから、オフィスフロアを再現する「360度パノラマビュー」と自分のデスク機能を再現する「ワークボード」の2画面で構成するシステムを開発し、5月から一部の部門で実証運用。社長ら役員も参加し、これからの働き方を検証してきた。総じて好評だったものの“一緒に働いている”という一体感の乏しさが課題として浮上。コミュニケーション支援機能の充実を図って今月から全社展開した。
社員が自宅以外に、居住地の近くで就業するリアルなサテライトオフィスを増やしつつ、仮想オフィスとしてもチームとしての課題共有やチャットで気軽に雑談ができるリアル感を追求。新たに社員の顔写真アイコンを選択して併設の会議室やカフェでミーティング・会話ができる「雑談ルーム機能」や、客先常駐の社員もスマートフォンで手軽に同僚の仕事の状況やスケジュールが分かる「チームボード機能」などを付加し、全社導入に踏み切った。
「仮想オフィスの業務効率維持には、気軽で手軽なコミュニケーション機能が不可欠。22年度以降、事業としてもチームで働ける共同空間を提供していきたい」(中村勝彦人事創夢本部副本部長)としている。
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日刊工業新聞2021年12月16日