GE日立がカナダで受注、「小型原子炉」が世界から注目を集めるワケ

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小型原子炉「BWRX-300」(イメージ)

日立製作所と米ゼネラル・エレクトリック(GE)の原子力合弁会社である米GE日立ニュークリア・エナジー(ノースカロライナ州)は、カナダ電力事業者のオンタリオ・パワー・ジェネレーション(OPG)から小型原子炉「BWRX―300」を受注する見通しとなった。早ければ2028年に完成する。日本メーカーが関与して小型原子炉を受注するのは今回が初めてとなる。

今回、東部都市のトロントに近いダーリントン新原子力発電所計画の技術パートナーに選ばれた。OPGなどは22年に建設許可を申請し、最大で小型原子炉4基を建てる計画。

GE日立は日立製作所の持分法適用会社。日本側の合弁会社である日立GEニュークリア・エナジー(茨城県日立市)からも北米へ人員を派遣し、技術開発や商談を支援してきたという。

小型原子炉は安全性が高く、低コストで建設・運用が可能だと言われる。世界的なカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の潮流に合わせてBWRX―300への関心は高まっている。GE日立はカナダ以外に、米国やポーランド、エストニア、チェコでも現地企業と導入検討の契約を結んでいる。

脱炭素で注目「小型原子炉」 各国、研究開発後押し

カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の実現には向け、安全性が高く、低コストで建設可能な小型原子炉が注目されている。米英やカナダなどは2030年前後の商用化に向け、政府予算を投入し、研究開発を支援している。

日本政府も10月に閣議決定したエネルギー基本計画で「脱炭素」電源として原子力の活用を掲げ、革新技術の開発を後押し。グリーン成長戦略で20年代末の海外での小型原子炉初号機の開発後、海外企業と連携しグローバル展開と量産体制を確立することを今後の目標としていた。日本企業が関与した小型原子炉の受注は、日本の原発インフラの輸出に向けた第一歩となる。

日刊工業新聞2021年12月6日

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