「三菱HCキャピタル」発足、リース業界で起きた大型再編の顛末

  • 0
  • 4

リース業界で4月、大型再編が起きた。ともに大手の三菱UFJリースと日立キャピタルが経営統合し、三菱HCキャピタルが発足。2021年3月期の総資産でオリックスに次ぐ業界2位の企業が誕生した。

旧2社は元々、資本業務提携関係にあり、選択と集中を推進する日立製作所がグループ再編の一環で日立キャピタルの株式27・2%を三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と三菱UFJリースに譲渡した。企業価値向上のため旧2社を傘下に置く持ち株会社制の導入も検討したが、銀行法の影響で事業範囲が狭まることやシナジー(相乗効果)を最大限に発揮するためには経営統合が最適と判断した。

三菱UFJリースを存続会社として日立キャピタルを吸収し、日立キャピタルは3月に上場を廃止。三菱HCキャピタル発足時の株主構成で日立は13・57%保有するが、三菱商事が16・39%、MUFGが14・2%と三菱色が鮮明になった。

経営統合の狙いは旧2社の相互補完だ。三菱UFJリースは航空機・エンジンリースなどアセットビジネス、日立キャピタルはメーカー系として販売金融に強く、得意分野が異なる。三菱UFJリース社長でもあった柳井隆博三菱HCキャピタル社長は「想像以上に事業の重複がない」と旧2社の違いを説く。

成長領域で得意分野が異なる点もプラスだ。50年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)に向け拡大が見込める再生可能エネルギー発電所事業では、三菱UFJリースは太陽光、日立キャピタルは風力の実績が抱負だ。互いの知見を共有し、事業を拡大できる。 経営統合効果では、24年3月期に税引き前純利益ベースで21年3月期比100億円増の統合シナジー発揮を見込む。主に経営資源に関する効果のため、営業強化や投資関連で上積みしていく考えだ。

リースは市場が頭打ち状態に加え低金利で稼ぎにくくなっており、三菱HCキャピタルはリースにとらわれない新たな価値創出を目指している。現在は旧2社の中計がそれぞれ進行中だが、柳井社長は「23年3月期には新中計を固め、発表したい」と構想する。新中計の質を高めるためにも一刻も早い経営統合効果を発揮することが求められる。

日刊工業新聞社2021年10月28日

キーワード
三菱HCキャピタル

関連する記事はこちら

特集

このサイトでは、アクセス状況の把握や広告配信などのためにクッキー(Cookie)を使用しています。オプトアウトを含むクッキーの設定や使用の詳細についてはプライバシーポリシーページをご覧ください。

閉じる