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三井住友信託銀が脱炭素に5000億円投資。大山社長「連鎖を起こしたい」

三井住友信託銀行は2030年度までに脱炭素につながる事業などに累計5000億円投資する。大山一也社長が日刊工業新聞の取材で明らかにした。政策保有株式を将来ゼロにする計画で、売却で得る資金を充てる。銀行が自己資金で同規模の投資をするのは珍しい。ESG(環境・社会・企業統治)投資に似た手法で、注力するインパクト投資を用いる。機関投資家など外部からは30年度までに2兆円の投資を募ることを目指し、脱炭素の取り組みに資金が集まるようにする。

大山社長は「政策保有株の削減で投資余力が生まれる。5000億円を呼び水に投資の連鎖を起こしたい」と意欲を示した。政策保有株の削減目標は5月に定めた。9月末時点で約1兆4000億円(時価ベース)あり、売却で投資資金を確保する。

インパクト投資は投資先が生み出す変化によって環境・社会問題解決を目指すもの。再生可能エネルギーや水素、アンモニアなど脱炭素につながる事業やファンドに投資し、インパクトの測定・評価など要件を満たすようにする。外部の投資の測定・評価や管理業務を担うことも狙う。

投資先の選定では7人の専門人材チームが目利き役になる。水素などの分野の博士号を持ち、企業で活躍した人材を中途採用した。彼らが候補案件を技術面で理解することを投資判断に生かす。

このチームについて、大山社長は「14人ほどに増やしたい」と体制強化の方針を示した。機械工学やシステム工学の知見を持つ人材を採用し、カバー範囲を広げる。順次採用するため、目標時期は定めない。

投資の連鎖を起こしたい、と大山社長
日刊工業新聞2021年12月10日

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