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スマート農業を加速させる井関農機、コロナが起こした追い風

スマート農業を加速させる井関農機、コロナが起こした追い風

2022年に発売するロボット田植え機

井関農機はスマート農業の加速に向け、2022年に新商品を相次ぎ投入する。全地球測位衛星システム(GNSS)を活用した安価で高精度な位置情報サービスを1月に開始。2月に有人監視型ロボット田植え機「PRJ8D―R」を発売する。農家の高齢化やリタイアで水田の集積・大規模化が進む一方、コロナ禍の外食不振によるコメ余りもあって、コメ作りの低コスト化や省力化が一層求められていることを追い風に拡販する。

GNSS位置情報サービスは位置補正機能を持ったトラクターや田植え機を所有する農業法人が対象。電子基準点やNTTドコモ所有の基準局で衛星測位したデータを活用する。ロボット農機や自動操舵システムに必要な位置補正情報を月3300円(消費税込み)の低料金で配信する。

農業者が自前でアンテナを建てる必要がなく、初期投資コストを節約できる。使用期間も「トラクターや田植え機を使う3―6月の4カ月間だけ」などと自由に設定可能で、さらに費用を抑えられる。年間1000件の契約を目指す。

ロボット田植え機は8条植えタイプ。最初にオペレーターが作業したい水田の外周3辺を搭乗して植え付けすることで圃(ほ)場マップを自動作成し、後は自動で田植えができる。消費税込みの価格は仕様により578万3800―647万3500円。年間50台の販売を目指す。

ロボット農機は18年12月発売のトラクターに続くものとなる。従来の田植え作業はオペレーターと、田植え機への苗・肥料の補給を担当する補助者の2人1組で行うことが一般的だった。ロボット田植え機の活用で1人で作業可能になり、田植え機の操作が不慣れな人でも高精度な作業ができる。

日刊工業新聞2021年12月10日

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