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石油化学プラントの自動運転に成功、ENEOSが生かしたAI技術の全容

ENEOSは、人工知能(AI)技術による石油化学プラントの自動運転に成功した。熟練運転員の経験やノウハウをAIで自動化させるシステムを開発。川崎製油所の石油化学プラントのブタジエン抽出装置で実験し、2日間の自動運転に成功した。

プラント運転は経験と勘が必要で、運転員が24時間運転監視をしている。ただ、熟練運転員の高齢化でノウハウの継承が課題となっている。このためENEOSは2019年に、高度なAI技術を持つプリファードネットワークス(PFN、東京都千代田区、西川徹社長)と協業し、プラント自動運転システムの開発に取り組んできた。

過去の運転データやシミュレーターデータから、複数のセンサー値とバルブ操作の相関関係を学習し、ベテラン運転員の操作判断を再現する。ブタジエン抽出装置ではAIがプラント内の温度、圧力、流量など25個の運転因子の常時監視と12個のバルブ操作を行う。

日刊工業新聞2021年12月3日

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