ENEOS・三井化学・ホンダなど参戦、藻類の量産・製品化事業は脱炭素への足がかりになるか

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マレーシアで稼働するちとせグループの藻の培養プラント

バイオ企業群を束ねる、ちとせバイオエボリューション(シンガポール)は、ENEOSや三井化学、ホンダなど企業16社を含めた20社・団体と藻類の量産と製品化で連携すると発表した。2025年には藻類を年14万トン(乾燥状態)供給できる世界最大の量産設備を建設する。化石資源に頼らずに藻類から燃料やプラスチック、食品の原料を生産し、温室効果ガス排出量を実質ゼロにする脱炭素に貢献する。

他にも花王や日本特殊陶業、三菱ケミカル、興和、DIC、日立プラントサービス(東京都豊島区)のほか、新潟県長岡市の自治体なども参画した。ちとせバイオは連携事業を「MATSURI(まつり)」と名付けた。

藻類は二酸化炭素(CO2)を吸収して燃料やプラスチックなどの原料を生成するため、大量培養すると化石資源の代替原料を供給できる。ちとせバイオは太陽光を効率的に利用して藻類を量産する技術を持つ。化学や自動車、塗料など幅広い業種との連携で、複数の藻類由来製品を実用化する。ちとせバイオの藤田朋宏最高経営責任者(CEO)は「21年度内に100社まで参加を増やし、藻類でいろいろな産業を作りたい」と意気込んだ。

25年に稼働する量産設備の規模は2000万平方メートル。藻類1キログラムの生産コストを300円以下に抑えて供給する。参加企業は脱炭素へ転換する足がかりにする。12日に石炭の権益からの撤退を表明したENEOSは、藻類の燃料開発に期待する。三井化学やホンダも化石代替原料として藻類の活用に取り組む。

ちとせバイオは02年設立のちとせ研究所(川崎市宮前区)を中核とするグループ。外資系企業出身の藤田CEOが11年、シンガポールに統括拠点を置いた。

日刊工業新聞2021年5月14日

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