凸版もDNPも。印刷大手で「社内・外副業」解禁が相次ぐ事情

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総合印刷大手が、社内・外副業制度を相次いで解禁している。凸版印刷は4月に社外副業制度を導入し、2022年4月には社内副業の導入も検討。大日本印刷は4月に社内副業制度を新たに導入した。長年、受注産業の印刷業界は行動や考え方までも受け身になりがちだった。社内・外副業制度の導入により、社員の多様な働き方を推進するだけでなく、社内外で知見、ノウハウの交流を活発化させ、技術革新の創出につなげたい狙いだ。(張谷京子)

凸版が導入した副業・兼業制度では、自社の従業員が他社で働くことに加え、他社の人材が同社で働くことを認める。自社の従業員向けには、二つの形態を用意した。一つは、就業時間外で他社雇用を認める「社外副業・兼業制度」。月40時間を上限として社外での副業・兼業を認めている。

もう一つは「セカンドキャリア副業・兼業制度」。45歳以上の従業員を対象に、週2日就業時間内でも他社雇用を容認。70歳までの雇用を見据え、自ら社外の仕事に挑戦する従業員を支援する。

両形態ともに、対象は凸版印刷と製造子会社の従業員で、対象者数は全体で約2万人。現在は、イベントの運営・プロデュースやコンサルティング、社外取締役など、凸版単体で約十数人の従業員が同制度を利用する。

大日本印刷の社内副業制度は、国内グループ会社を含む同社の主任クラス以上の従業員が対象。労働時間の20%を目安に行うことが原則で、期間は半年ごとに継続の可否を所属部門と兼務先部門で決める。現在33人が同制度を利用中だ。

印刷業は従来、顧客からの発注を受けて生産する“受注型”のビジネスが基本だった。ただ近年は、ペーパーレス化により紙印刷事業が縮小。企業や生活者の課題解決策を能動的に提案するビジネスモデルへの転換を図っており、新規ビジネスの開発・成長が課題となっている。

副業・兼業制度は外部の知見の取り込みを、社内副業制度は部署間での人材交流を活発化する。総合印刷にとって、両制度の導入はそうした新規事業の開発・成長加速に向けた一助になりそうだ。

日刊工業新聞2021年11月19日

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