野鳥の鳴き声を聞き分ける。富士通のAIの進化が止まらない

野鳥の鳴き声を鳥の鳴き声から生息数を判別

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AIによる音声認識の流れ。声紋画像化→AIで学習・判定→調査対象種の鳴き声のみ検出

鳴き声でシマフクロウの数を判定する富士通の音声認識技術が進化している。人工知能(AI)機能を追加し、対応できる生き物の種類が増えた。10月には経団連と環境省の「生物多様性ビジネス貢献プロジェクト」にも登録された。

開発当初の技術は2012年、日本野鳥の会のシマフクロウ調査に提供した。従来、森にICレコーダーを置いて夜間に録音し、調査員が再生して鳴き声から生息数を判断していた。開発した技術は録音した鳴き声の周波数からシマフクロウの声を抽出し、生息数を判定する。解析時間を数分に短縮できた。

現在、鳴き声の声紋を画像化してAIで判定できるようになり、聞き分けができる鳥の種類を拡張した。ミゾゴイやタンチョウなど、姿を見つけにくい鳥の調査でも使われた。海での調査にも活用可能となり、洋上風力発電所の建設予定海域の調査にも役立ちそうだ。富士通システムプラットフォームビジネス部門の斎藤睦巳氏は「環境影響評価を業務とする調査機関に有効」と期待する。経団連などの生物多様性ビジネス貢献プロジェクトは日本企業の技術を海外に紹介する。今後、外国の鳥の鳴き声の聞き分けでも使われそうだ。

日刊工業新聞2021年11月19日

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