ホンダとトヨタがタッグ、持続可能なモータースポーツを目指すプロジェクトの全容

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サステナブルなモータースポーツ業界づくりを目指していく(中嶋悟JRP会長〈左から2人目〉、佐藤恒治トヨタ執行役員㊧、渡辺康治ホンダ執行職㊨)

日本レースプロモーション(JRP、東京都千代田区、倉下明社長)は、ホンダ、トヨタ自動車と協力し、サステナブル(持続可能)なモータースポーツの実現を目指すプロジェクトを始める。レースを実験場と位置付け、環境に配慮した次世代レーシングカーの技術開発を進める。パワートレーン(駆動装置)や車体、素材、燃料など幅広いテーマを設定し、成果は市販車の開発にも生かせるようにする。

JRPは自動車レース「全日本スーパーフォーミュラ選手権」を運営する。同選手権にエンジンを供給するホンダ、トヨタと協業し、今回のプロジェクト「SUPER FORMULA NEXT50(ゴー)」に乗り出す。デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー(東京都千代田区)も参画する。今後もパートナー企業を募る。

具体的な取り組みとして、二酸化炭素(CO2)と水素の合成液体燃料「e―fuel」やバイオ燃料の導入、植物由来の天然素材「バイオコンポジット」のシャシーでの採用に向け2022年にテストを始める。

25日に開いた発表会でトヨタの佐藤恒治執行役員は「カーボンニュートラル燃料の実証実験などに向け、会社の垣根を越えて挑戦したい」と述べ、ホンダの渡辺康治執行職は「カーボンニュートラル実現という同じ目標に向けてトヨタと切磋琢磨できることにわくわくしている」と述べた。

また同プロジェクトではファン層の拡大に向け、レースのライブ中継などをスマートフォンで楽しめるデジタルプラットフォームを発足する。人工知能(AI)やゲームを活用したエンタテイメント開発にも取り組む。

世界でガソリン車の販売を規制する動きなどが広がる中、「モータースポーツのあり方が社会性を帯びている」とトヨタの佐藤執行役員は指摘する。 自動車メーカーはレースの意義を再定義しており、ホンダは21年シーズンでの自動車レースの最高峰「フォーミュラワン(F1)」からの撤退を決めた。トヨタは水素エンジン搭載車でレースに参戦し、水素の可能性をアピールする。 今後、サステナブルなモータースポーツづくりを通じ、各社がどういった新たな価値を提案していくのか注目される。

日刊工業新聞2021年10月26日

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