海上自衛隊の「哨戒艦」12隻建造へ、戦力増強を急ぐ事情

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新たな哨戒艦は船体を数十人規模で操舵できるようにする

防衛装備庁は海上自衛隊が使う「哨戒艦」を建造する企業の募集を始めた。哨戒艦は基準排水量1900トン、全長90メートルの大きさを予定し、合計12隻の建造が見込まれている。尖閣諸島など南西諸島周辺で中国艦船の示威活動が激しさを増しており、海自と海上保安庁の警戒艦の隻数では対応が難しくなっている実情を踏まえたもの。1番艦は2026年度に就役する見込み。

哨戒艦の基本設計費用は22年度の概算要求で4億円を予定している。運用構想や納入時期、性能、搭載装備品を満足する企画提案書を22年3月まで受け付け、5月ごろに随意契約企業を決める予定だ。日本近海で長期間、行動するため、航続力や居住性が要求される。人員不足の状況も踏まえ、船体は従来比半分の省人化を実現している「もがみ型護衛艦」の技術やノウハウを応用し、数十人規模で操作できるようにする見通し。海上保安庁の巡視船との連携するためにレーダーやソナー、無線通信の高い能力に加え、不審船監視追跡用の無人機を搭載する予定。

海上自衛隊では最近「たいげい」に続くリチウムイオン電池搭載潜水艦「はくげい」が進水したほか、4900トン型油槽船「YOT―01」も新来島波止浜どっく(愛媛県今治市)で進水式を行った。中国との軍事力格差が開くのを抑えるため、戦力の増強を急いでいる。

日刊工業新聞2021年11月11日

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