日本の4倍に膨張した中国国防費、「民間の斬新な提案を」岸防衛相の必死

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日中防衛大臣によるテレビ会談(岸信夫公式ツイッターより)

政府は防衛省の21年度予算案について過去最大の総額5兆3400億円程度とする方向で最終調整に入った。増額は9年連続。陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」に替わる「イージス・システム搭載艦」導入に向けた調査費17億円を盛り込む。一方で航空自衛隊戦闘機「F15」の改修費計上は見送る。20年度当初予算は5兆3133億円。過去最多額を更新するのは7年連続となる。岸信夫防衛相は麻生太郎財務相との閣僚折衝で、F2の後継となる次期戦闘機の開発費576億円を盛ることで合意。岸氏は「着実に開発を進めていくことが必要不可欠だ」と話した。

次期戦闘機や新型護衛艦など、自衛隊が装備の近代化を急ぐ背景には、極東における中国防衛力の急速な質量両面の向上がある。20年度の日本の防衛予算は約5兆688億円に対し、中国は20兆2881億円とほぼ4倍だ。しかも中国の国防費は00年以降、一貫して増え続けている。

20年間で約11倍、直近の10年間で同2.4倍になった。初の国産空母「山東」やステルス戦闘機の配備、極超音速ミサイルや潜水艦発射型弾道ミサイル(SLBM)など、装備の近代化と充実を急ピッチで進めている。

日中両国を比較すると、20年に騒音の少ない近代的潜水艦の隻数は日本の20隻に対し、中国は52隻。近代的駆逐艦・フリゲートの隻数は日本の48隻に対し、中国は67隻。第4・第5世代戦闘機の数は日本の309機に対し、中国は1080機。経済力と軍拡計画を背景に、この差は今後さらに開いていく可能性がある。

17日に経団連首脳と懇談会を開いた岸防衛相。防衛装備・技術の海外移転やサプライチェーン(供給網)などについて意見交換した。経団連側からは「経済安全保障の確保に注意が必要だ」などの発言があった。防衛省側は「政府全体で経済安全保障を議論している。防衛省も参画しており経済界ともしっかり取り組んでいきたい」と応じた。

両者は19年10月に意見交換の場を初めて設け、11月以降、防衛装備庁と経団連防衛産業委員会との間で8回意見交換を行った。岸防衛相は「民間の柔軟な発想に基づく斬新(ざんしん)な提案を期待している」と話し、今後も意見交換を継続する考えだ。

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