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国内商用車メーカー初、いすゞが発売した大型LNGトラックの実力

いすゞ自動車は、国内の商用車メーカーでは初めて、燃料に液化天然ガス(LNG)を使った大型トラックを発売した。ディーゼル車と比較して都市間輸送時の二酸化炭素(CO2)排出量を約10%削減できる。価格(東京地区)は消費税込みで3466万3200円。カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現に向けた動きが急速に広がる中、他の化石燃料よりも環境負荷が低いLNGの利点を訴求する。

発売したのは「ギガLNG車=写真」。航続距離は1回の充填で1000キロメートル超。LNGは液体燃料のため、従来のディーゼル車とほぼ同じ時間で充填できる。

エンジンは夏に発売した圧縮天然ガスのトラックに搭載したものを活用し、LNG独自の燃料システムを搭載した。LNGはタンクに備え付けた熱交換器で加温され、気化状態でエンジンに供給される。

商用車メーカーは脱炭素化に対応した商品戦略を進めている。LNGは燃焼時に発生するCO2排出量が化石燃料で最も少ない。化石燃料を使わない電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)の開発と合わせて、いすゞは既存のエンジン技術を生かせるLNG車の展開にも力を入れている。

日刊工業新聞2021年11月2日

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