日野自動車がいすゞからトラックをOEM調達する事情
日野自動車は29日、北米向けトラックの一部について、いすゞ自動車からOEM(相手先ブランド)供給を受けると発表した。クラス4―5(車両総重量6・35―8・85トン)モデルのトラックが対象。日野自は米国法定エンジン認証試験で課題があった影響で、2020年末から米国とカナダの2工場を停止している。いすゞから北米向けトラックを調達して販売を再開する。
いすゞが生産する小型ディーゼルトラック「Nシリーズ(日本名『エルフ』)」を日野自ブランド「Sシリーズ」として、米国とカナダの日野自ディーラーが10月から販売する。
29日の日野自の決算会見で中根健人取締役は、OEM受給の契約期間は非公表とした上で「長期的な計画ではない」と話した。
日野自は10月に北米工場の稼働再開を目指し、米カミンズからディーゼルエンジンを調達することでも合意している。今回の「Sシリーズ」のエンジンはカミンズのラインアップにはなかった。
日野自の工場停止前の19年度北米地域販売台数は1万7100台で、うちクラス4―5は5783台だった。
日刊工業新聞2021年7月30日