裏と表が異なる高分子、神戸大が開発した「オセロ状粒子」の用途

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左から)電子顕微鏡で見たビーズミルで撹拌する前の高分子粒子、撹拌後のオセロ状粒子と断面(神戸大提供)

固体界面活性剤など応用

神戸大学の南秀人教授と鈴木登代子助教らは、裏と表が異なる高分子で構成されたオセロ状粒子を開発した。2種類の高分子でできた微粒子をビーズミルで撹拌するだけで平たい円盤状粒子になる。製造が簡単で量産に向く。円盤の直径は約2マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。親水性と疎水性の二つの特性を持つ固体界面活性剤などに応用できる。

オセロ状粒子を作るには、まず半分がポリスチレン(PS)で、もう半分がメタクリル樹脂(PMMA)の楕円状粒子をビーズミルにかける。これにより高分子粒子が粉砕に使われるジルコニアビーズに押しつぶされて平らな円盤状になる。直径2マイクロメートル程度の高分子粒子に比べジルコニアビーズの大きさは同100マイクロメートルと大きいため、高分子粒子を砕くよりもつぶすように働くと考えられる。

研究グループは押しつぶす過程で、上面と下面に2種類の樹脂が分かれるように制御した。高分子粒子がコーヒー豆のような楕円状だと、つぶされる瞬間に分散液の流れから楕円の向きが制限される。楕円の短軸方向につぶされ、この方向に2種類の樹脂を配置しておくとオセロのように表裏で種類の違う粒子ができる。

2種類の樹脂で楕円状粒子を作る手法は確立されている。また、ビーズミルを使った製造もシンプルな技術なので量産しやすい。

用途として想定する固体界面活性剤は吸着力が強く、低分子界面活性剤のように脱着することがないため、強力な界面活性剤となり得る。

成果の詳細は高分子学会が10―11日にオンラインで開く「第30回ポリマー材料フォーラム」で発表する。

日刊工業新聞2021年11月1日

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