自動車減産の影響が深刻化、新車販売32%減で受注活動にも暗雲
部品不足に伴う自動車の減産が、国内の新車販売に深刻な影響を与えている。日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽自協)がまとめた9月の新車販売台数は、前年同月比32・2%減の31万8371台だった。減少幅は8月の同2・1%減、7月の同4・8%減と比べ大幅に広がった。コロナ禍から回復基調にあった国内販売は、半導体不足や東南アジアでの新型コロナウイルス感染再拡大の影響で急降下した。
登録車の9月の新車販売は同30・0%減の20万5423台と、7カ月ぶりに前年を下回った。9月単月では過去2番目の低水準となった。軽自動車は同35・9%減の11万2948台と、4カ月連続で減少した。9月として41年ぶりに12万台を下回った。自販連の担当者は「減産により販売できる新車が不足した影響が大きい」との見方を示した。
乗用車のブランド別では、三菱自動車を除く8社が前年割れとなった。減少幅が最も大きいのはマツダで同50%減少。登録車ではトヨタ自動車が同37・3%減と、12カ月ぶりにマイナスとなった。
2021年度上期(4―9月)の新車販売は、前年同期比1・1%増の205万359台と、コロナ禍で販売が低迷した20年同期をわずかに上回った。
20年秋から国内新車販売はコロナ禍からの回復基調にあった。20年10―12月期に前年同期比14・6%増とプラスに転じてから、21年1―3月は同4・2%増、21年4―6月期は同23・8%増と好調を維持した。しかし21年7―9月期は同14・8%減と4四半期ぶりに減少。需要は堅調だが、部品不足による減産が水を差した。
10月以降も減産による販売への影響は続きそうだ。トヨタは国内生産を従来計画と比べ9月に17万台減、10月に同15万台減らす計画。ホンダは国内生産台数を8―9月に同約6割減、10月上旬に同約3割減らす見通し。SUBARU(スバル)は9月に国内工場の稼働を一時停止し、スズキやダイハツ工業は10月も生産調整を予定する。全軽自協の担当者は「納期が不透明になりつつあり、受注活動にも影響が出始めている」とし、生産混乱の影響が販売に広がっているとの見方を示した。