車載用の太陽光発電システム開発など、トヨタが産総研と共同研究へ
トヨタ自動車は、産業技術総合研究所、豊田中央研究所(愛知県長久手市)とエネルギー・環境関連の先端技術を共同研究する検討を始めた。再生可能エネルギーの消費動向や社会への影響、車載用高効率太陽光発電システムの開発など、まずは4テーマを対象とする。2030年頃の技術実装を視野に、化学や電力など3者以外に広く協業先を募る。50年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)達成に向け開発を加速する。
4テーマのうち、環境政策の影響や関連技術動向を踏まえたエネルギーシナリオの構築、経済合理性も踏まえた街におけるエネルギーネットワークの構築はすでに着手した。産総研が開発したエネルギーモデルを活用して環境負荷やコストなどを検証するほか、実際の街での実装を視野に最適なエネルギー構成やインフラ提案を進める。
残る2テーマは低コストかつ高効率な車載用太陽光発電システムの開発、水素社会実現に向けた要素技術の開発で、早期にテーマを具体化して共同研究を始める予定だ。各テーマで10人ほどのチームを作って進めるほか、テーマは毎年見直す。トヨタの担当者は「国内外のパートナーを広く募り、成果が出始めたらタイムリーに社会実装したい」と話す。
日刊工業新聞2021年10月13日