累計販売6600万本突破、「日本初の発毛剤」が若い世代に売れている

大正製薬が顧客獲得に注力

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発売中のリアップ製品

大正製薬が発毛剤「リアップ」で、若い世代の顧客獲得に力を入れている。育毛剤ではなく、「毛生え薬として発売した日本初の発毛剤」(大正製薬)で、累計販売数は6600万本(2020年3月時点)を突破した。ここ数年は、早い段階から薄毛を予防したい若者のニーズに応えるため、気軽に商品を購入できる電子商取引(EC)サイトなどを充実させて認知度アップを図っている。(編集委員・丸山美和)

大正製薬によると、国内で薄毛や抜け毛に悩む男性は600万―700万人とされ、発毛剤と育毛剤を合わせた市場(ECを含む)は約700億円で年々成長している。薬局よりECの方が気楽に購入できることもあり「若い人によるECの成長は顕著」(大正製薬)という。商品購入者のうち30代以下の比率は実店舗で1割強であるのに対し、ECサイトは3割強を占める。

こうした若い顧客層を、さらに増やすため会員サイト「リアッププレミアムクラブ」を開設した。効果的なシャンプー方法などを閲覧できるほか、購入品のシリアルナンバーを登録してポイントをためると、頭皮を撮影できるマイクロスコープをプレゼントするなどのキャンペーンを展開。市場開拓を進める。

発売から22年のリアップには発毛成分の「ミノキシジル」が使われている。1985年に米アップジョン(現ジョンソン・エンド・ジョンソン)と導入契約を締結し、臨床試験や検証を続け、14年をかけて発売にこぎ着けた。

大正製薬が99年6月に「壮年性脱毛症における発毛」を効能に掲げたダイレクトOTC(大衆薬)として発売したところ、初年度の販売目標60億円を2カ月で超え、300億円を売り上げるヒット商品となった。05年に女性用、09年にミノキシジルの濃度を1%から5%に高めた「リアップX5」、12年にはジェット噴霧タイプを発売した。

18年にはミノキシジル製剤のジェネリック(後発医薬品)が出始め競合が増えた。他社と差別化するため、20年に7種類の有効成分を配合した「リアップX5プラスネオ」を商品化。価格が高くても効果を求める世代に支持されている。

当初、リアップは40―50代の利用を想定していたが、ここ数年は「薄毛の遺伝を気にする若い人の購入が増えている」(同)。実際毛母細胞が生きている間に使い始め、4カ月間使い続けることで毛母細胞が活性化されたと実感できる人が多い。

今後は若い世代向けに購入しやすい低価格帯やデザイン性の高い商品を拡充し、潜在需要の掘り起こしを進めていく考え。

日刊工業新聞2021年10月12日

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