今期4社が営業増益を予想する製薬企業、業績けん引する「抗がん剤」の名前

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製薬8社の2022年3月期連結決算は、4社が営業増益を予想する。抗がん剤の国内外での販売伸長が寄与する。医療費削減のため本年度から毎年見直される薬価改定が収益圧迫要因となるものの、各国で抗がん剤の需要は高く、画期的な新薬の創出だけでなく、適用拡大が利益を生むことになる。

アステラス製薬は主力の前立腺がん治療薬「イクスタンジ」や尿路上皮がん治療薬「パドセブ」の販売が伸びる。第一三共は新型の抗がん剤「エンハーツ」や抗凝固剤「リクシアナ」など主力品が増収となり、エーザイは主力の抗がん剤「レンビマ」の販売増や米メルクから受け取る「レンビマ」のマイルストーン支払いなどで増収増益になる見込み。小野薬品工業もがん免疫治療薬「オプジーボ」が肺がんや食道がんなどへの使用拡大で増収増益の見込み。

武田薬品工業は、主力の潰瘍性大腸炎・クローン病治療薬「エンティビオ」が好調を維持するが、研究開発費を前年度比662億円増の5220億円まで増額することから営業減益となる。

大日本住友製薬は、主力の非定型抗精神病薬「ラツーダ」や進行性前立腺がん治療薬「オルゴビクス」などが北米で増収になるものの、同じ北米で新製品販売費用が増加して営業減益を予想。塩野義製薬は戦略品の抗うつ薬「サインバルタ」の後発品の発売が響き減収減益を予想。一方で、新型コロナワクチンや治療薬の開発、診断技術の確立など感染症事業は強化する。また、大正製薬は広告宣伝費の増加や研究開発投資の増加で営業減益予想とした。

21年3月期連結決算は、各社ともに新型コロナウイルスの感染拡大で病院受診を控えたことと薬価改定による減収が響いた。主力品の販促費用増加や開発見直しによる減損損失計上なども利益を押し下げた。

日刊工業新聞2021年5月17日

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