トヨタが躍起になるコネクテッドサービス拡充、キーワードは「技術の手の内化」

  • 1
  • 0
11月以降、国内発売する新型レクサスNXは刷新したコネクテッドサービスに対応する

トヨタ自動車が、コネクテッドサービスの拡充による車両の魅力向上に力を入れている。キーワードは技術の手の内化(内製化)だ。長年モノづくりで重視してきたこの手法をコネクテッドサービス、ソフトウエアの開発でも活用し、顧客ニーズにきめ細かく対応できるようにする。開発を支えるソフト人材もトヨタグループ全体で増やす計画で、体制整備にも余念はない。(名古屋・山岸渉)

「車と情報との連携を進め、新たな感動を提供する」。コネクティッドカンパニープレジデントを務める山本圭司執行役員はこう意気込む。

CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)が進展する中、電話がスマートフォンに進化したように、車でも最新の情報やサービスを提供できるかが重要になっている。

そこで強みを発揮するのが、トヨタが長年こだわってきた手の内化だ。コネクテッドやソフトに関する技術を自前で持つことで顧客や社会ニーズに柔軟に即応できるとみる。

そのきめ細かさを具現化する一つが、11月以降に国内発売する高級車ブランド「レクサス」のスポーツ多目的車(SUV)の新型「NX」で刷新するコネクテッドサービスだ。ソフトを自動更新するオーバージエア(OTA)機能を備え、国、地域ごとに異なる道路事情や車の使われ方、通信インフラに応じて機能を変えて発展させるようだ。

各国・地域で環境規制により内燃機関車の乗り入れが禁止されているエリアに入る際、自動的に電気自動車(EV)走行に切り替えられるシステム「ジオフェンス技術」の一部を盛り込む計画。

新型NXのプラグインハイブリッド車(PHV)は同技術の一部を使い電池残量、交通情報などのデータを生かし、EVとハイブリッド車(HV)の切り替えを制御する。エネルギー効率の良い走りを実現する。

一方、技術を手の内化し、ニーズに円滑に応えるためには、根幹となる人材が欠かせない。コネクテッドサービスやソフト開発でもこの点を踏まえ、関連する人材を拡充する。

トヨタグループ全体のソフト人材は、1万1000人(8月時点)から将来1万8000人体制を目指す。トヨタと傘下のウーブン・プラネット・ホールディングス(東京都中央区)、トヨタコネクティッド(名古屋市中区)の3社のソフト人材についても計1500人(8月時点)から計3000人体制に増やす考えだ。山本執行役員は「プログラマー、データサイエンティストなど幅広い領域の人材が必要となる」と説明する。

日刊工業新聞2021年10月8日

関連する記事はこちら

特集