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リチウムイオン電池製造装置、超音波接合で品質向上

JETが市場投入へ

ジェイ・イー・ティ(JET)は、リチウムイオン電池製造装置のラインアップを拡充する。超音波接合の技術を使って電池を封止する装置で、品質向上や生産工程での品質管理が容易になる。電池メーカーと共同で開発を進めており、2022年以降の市場投入を目指す。

開発中の装置は2種類。角形電池が対象の「UBI―J1000」と、ラミネート型電池が対象の「ULS―J1000」。

前者は、電池に電解液を注入するために開けた小さな穴をふさぐ装置。アルミニウムの小型ボールを挿入し、超音波で振動させて接合する。従来はレーザー溶接で穴をふさぐ方式が主流だが、電解液が付着した箇所に微小な穴が開く危険性があった。

後者は、超音波発振ホーンが移動しながらパウチ式電池の周囲をシーリングしていく装置。従来主流のヒートバーで加熱する方式では、バーが長くなると温度のムラやバーの傾きが生じ、安定した品質が得にくかった。

それぞれ、ボール挿入時の圧力や、ラミネートの溶け込み量などにより、品質の可否を正確に判定できる。

これまでも、超音波で電極を接合する装置や、電解液の漏れを検出する装置(写真)などを商品化した。国内の民生用電池メーカーに採用された実績がある。車載用や定置型など大型の電池、あるいは海外メーカーへの売り込みを強化したい意向。事業目標などは明らかにしていない。

同社の主力は半導体ウエハー洗浄装置。バッチ式洗浄装置では約10%のシェアを持ち世界3位。足元の需要は旺盛だが、中長期的な需要変動も予想されることから、電池関連を新事業の柱と位置づけて強化を急いでいる。

日刊工業新聞2021年9月27日

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