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「コロナ保険」、恒常化で商品見直しも

新型コロナウイルス感染症を保障する商品が再注目されている。第一生命保険は1日から特定感染症保険の新規販売を一部休止。感染状況が当初の想定よりも高く推移し、保険料率の再設定を余儀なくされた。都内では緊急事態宣言下の生活が恒常化するなど新型コロナとの共生が長期化する中、関連する保険商品には底堅いニーズが見られている。(増重直樹)

第一生命保険が4月に発売した保険は感染状況で保険料を変動させる生保初の仕組みが特徴。新型コロナを含む特定感染症と診断された場合に一時金10万円を支払う。約2万1000件の契約実績があり、支払件数は8月26日時点で約60件という。保険料の変動上限(3カ月2270円)を超過する感染状況となり、契約者に確実に給付金を支払うため商品の見直しに動いた。

現在は提携企業経由での販売を続行しており、既契約者は更新も可能。同社は「現状の感染状況に対応した保険料率で早期の販売再開を目指したい」と販売休止前の間口が広い状態での販売再開を急ぐ考え。

保険業界を見渡すと新型コロナに対応する保険商品は売れ行き好調が目立つ。太陽生命保険が20年9月に販売した「感染症プラス入院一時金保険」は契約件数が15万件を突破。同社の過去10年の商品では最速で15万件に達した。新型コロナやスポーツ中の事故などを原因に、入院や自宅治療などをした場合に入院一時金保険との合算で最大60万円を給付する。同社は「コールセンターへの入電件数もかなり多い」と明かし、8月は7月比約4倍の契約件数に至った。

東京海上日動火災保険の「特定感染症危険補償特約」も累計5万件を突破した。21年3月から同特約の契約を対象に付帯サービス「感染症選べるアシスト」を展開。同特約での支払い対象時に、マスクや消毒液などが入った感染防止グッズ一式を送付。上限5万円の制約はあるが、自宅の消毒費用やベビーシッターの利用費用なども補償する。付帯サービスの提供後は月当たり2倍の契約数で推移しているという。

首相官邸によると、ワクチン接種を2回完了した人は13日公表時点で初めて5割を超えた。ただ足元では罹患(りかん)時の医療体制や相次ぐ変異株の登場など不安がくすぶる。“コロナ保険”は感染症への不安が払拭(ふっしょく)されない限り底堅いニーズが見込まれ、関連商品をめぐる動向から目が離せない。

新型コロナウイルス感染症を保障する商品例
日刊工業新聞2021年9月15日

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