「就業不能保険」若年層の利用拡大へ。東京海上日動が一手
若年層の利用拡大狙う
東京海上日動火災保険は就業不能保険の支払い事由を拡大する。従来はケガの中でも生涯にわたり労務できない重度後遺障害に限定していたが、通常のケガでも就業不能が一定期間続けば保険金を支払う。25歳の人が65歳までに働けなくなる確率は7人に1人と言われる。商品の魅力を高め、若年層の利用拡大につなげる。
2022年1月に個人向け主力商品「超保険」で契約できる就業不能による収入減を補償する商品を改定する。就業不能が30日を超えて続いた場合、1事故につき1回、設定した保険金の50%を支払う。加入するプラン次第では新型コロナウイルス感染症の罹患(りかん)による就業不能も支払い対象となる。
東京海上日動火災保険は20年にも、がんや脳卒中など5疾病に限定していた支払い事由を改定し、支払い対象となる疾患を拡大している。22年1月の改定に伴い20歳男性で保険金が100万円の場合、月450円の手頃な保険料で幅広い傷病や介護状態に備えられる。
就業不能保険は病気やケガで長期間働けないことによる収入減少リスクに備える保険。10年以降に販売が始まった比較的新しい種類の保険商品だ。多くの保険会社が取り扱っているが、就業不能時の保険料支払免除規定の有無や免責期間、うつ病など精神疾患をカバーするかなど各社で保障内容が異なる。
生命保険文化センターの18年調査によると、就業不能保険の世帯加入率は12%にとどまっている。
日刊工業新聞2021年8月20日