ニュースイッチ

あの「プチプチ」に進化版。半世紀ぶり新製品「スパスパ」とは?

あの「プチプチ」に進化版。半世紀ぶり新製品「スパスパ」とは?

「プチプチ」後継の新緩衝材「スパスパ」は溝に沿って手で力を加えると容易にちぎれる

川上産業(名古屋市中村区、安永圭佑社長)は、気泡緩衝材「プチプチ」の進化版として、手で簡単に切断できる「スパスパ」を発売した。電子商取引(EC)など個人事業主による商品取引が増加していることを背景に、既存の製造業や運送業に加えて、一般のユーザーにも使いやすい製品を目指した。プチプチは1968年発売のロングセラー商品だが、後継となる新製品は今回が初めて。

スパスパのシートには、空気が入った四角い突起が碁盤目状に並んでいる。縦50ミリメートル、横25ミリメートルの間隔で太い溝があり、溝に沿って手で力を加えると、梱包(こんぽう)する商品の形状に合ったサイズに容易に切ることができる。切断しやすい一方、緩衝材としてはプチプチと同等の強度を備えている。素材はポリエチレン(PE)を使用。

プチプチは工業製品の包装や輸送時の梱包材など、幅広い場面で使用される。ECが本格的に普及し始めた2004年頃から構想を練り、溝の強度など試作を繰り返して商品化にこぎつけた。商品名のスパスパは、手でスパッと切れる動作を表した。

プチプチとスパスパの自社生産工場は7カ所ある。スパスパは一部の工場で専用設備を使用して生産しているが、将来的には生産拠点を拡大する考えだ。価格は1巻きが幅120センチメートル、長さ42メートルのタイプが3432円(消費税込み)。プチプチに対して2割程度高めだが、日常的に使用できる価格帯に設定した。

日刊工業新聞2021年8月9日

編集部のおすすめ