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半導体など材料逼迫に苦しむ製造業、5割超が価格転嫁できず

A1A(エーワンエー、東京都千代田区、松原脩平社長)が発表した、国内製造業の調達担当79社・79人を対象に実施した材料逼迫(ひっぱく)調査によると、全体の7割を超える企業で製品原価が上昇し、半数を超える企業で販売価格に転嫁せず利益減に陥っていると回答した。

逼迫する材料は電気機器関連、樹脂関連、鉄鋼関連の品目で87%を占め、電気機器関連では9割が「半導体」と回答。逼迫の影響(複数回答)では「製品原価の増加」が7割を超え、「製品出荷台数の減少」「営業販売活動の抑制」「販売価格の上昇」が続いた。

また、影響を抑えるための施策として、「前倒し発注」に7割近くが取り組み、「値上げ受け入れ」「設計部門に対する代替品の追加承認依頼」「発注先拡大」の順となっている。

こうした取り組みで5割超が「生産への影響を抑えられた」とする一方、約2割が「改善効果がでていない」と回答。逼迫しやすい材料については、代替品の調査や多めに在庫を抱えるなど特定材料に絞って対応を進める回答が目立った。

同社は製造業の購買部門向けにクラウド見積もりシステムを展開。8月13日までの1カ月間にわたり同社のメールマガジン購読者を対象に調査を行った。

日刊工業新聞2021年9月8日

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