総合商社、「働き方支援」ビジネスはお任せあれ

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オフィスにカフェコーナーを設け、社員同士のコミュニケーションを促す(三井物産)

総合商社が企業の働き方改革を支援するビジネスに力を入れている。三井物産は顧客企業の総務業務の代行やビルの受け付け・清掃などを包括的に行うサービスを6月に開始。住友商事はグループ企業に物流倉庫の人員配置を最適化するシステムを導入、今後は外部販売を予定する。コロナ禍を機に企業における働き方が見直される中、デジタル変革(DX)にビジネスチャンスを見いだす。(森下晃行)

三井物産、自社の“仕掛け”提供

2020年5月に新社屋へ移転した三井物産は、社員の行動変容を促すべくオフィスにさまざまな“仕掛け”を施した。フリーアドレス制の導入やカフェコーナーの設置によるコミュニケーション促進、天井に埋め込んだビーコンによる人流データの把握などだ。

これらの知見と三井物産グループの事業を組み合わせ、企業の働き方改革や生産性向上を支援するサービス「ワークエックスプラス」を21年6月に開始。「総務業務を外部委託するイメージ」(ウェルネス事業本部)という。

エームサービス(東京都港区)などのグループ企業と協力し、社食の運営やオフィスフロアの清掃、消耗品や備品の発注、社員同士が交流しやすいオフィスの運営などを行う。「顧客が本業に専念できるよう支援する」(同)のが目的で、従業員1万人以上の大企業に提供している。

住友商事と丸紅、サプライチェーンDX支援

DXを活用した働き方改革支援をするのが住友商事だ。グループ企業のベルメゾンロジスコ(岐阜県可児市)に物流倉庫の人員配置を最適化するサービス「スマイルボードコネクト」を導入中だ。

ピッキングなどの作業が終わるごとに作業者がバーコードを読み取り、進捗(しんちょく)を報告。進捗状況や計画とのギャップが見える化され、管理者はタブレットやスマートフォンを通じ達成状況をグラフなどで確認できる。ベルメゾンロジスコの犬山直輝社長は「作業者にとっても得意な分野や伸ばしたいスキルの把握につながるのでは」と見ている。

計画の改善案を提示する機能を備えるのも特徴。22年頃からグループ以外の企業へも販売することを目指しており、中小規模の倉庫を含めまずは3年間で300拠点への導入を計画する。

丸紅は20年にDX支援のコンサルティング会社・ドルビックスコンサルティング(東京都中央区)を設立。サプライチェーンの最適化やサステナビリティ関連などで丸紅グループのDXを支援している。得られた知見を生かし、今後は外部企業にもコンサルサービスを提供していく予定だ。「社会基盤にかかわる事業に対し、DX提案をしていきたい」とドルビックスコンサルティングの佐藤由浩社長は期待を込める。

日刊工業新聞2021年8月16日

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三井物産 住友商事 丸紅

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