コロナ禍の東京五輪でも確認。金メダルと株価の相関関係

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東京五輪での日本選手の活躍は、投資家心理にポジティブな影響を与えたようだ。日本選手が過去最多となる27個の金メダルを獲得した東京五輪の開催期間中、日経平均株価は1・2%上昇。これまでの五輪で見られた金メダル獲得数と株価の連動性は、今大会でも確認された。コロナ禍に加え、無観客開催となったことでインバウンド(訪日外国人)や飲食、宿泊などの関連消費は停滞したが、選手の奮闘は市場の活力を引き出す一因になった。(高島里沙)

東京五輪期間、日経平均1.2%上昇

1968年のメキシコシティー大会以降、日本の金メダル獲得数が2ケタに達すると日経平均は五輪期間中に上昇。今回も五輪開幕前の7月21日に2万7548円だった日経平均は閉幕後の8月10日に2万7888円と、1・2%上がった。

三井住友DSアセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは「選手の活躍が人々の気持ちを前向きにさせる影響が大きい。注目の高い競技においてぎりぎりの攻防で勝つことは、やればできるという自信につながりそれが投資家にも影響する」と分析する。

また、緊急事態宣言下での五輪開催となったが、宅配やテークアウトなど五輪観戦のための巣ごもり需要やワクチン接種の進捗(しんちょく)が足元の経済を下支えしたようだ。内閣府が発表した7月の景気ウオッチャー調査(街角景気調査)では、足元の景況感を表す現状判断DI(季節調整値)は、前月比0・8ポイント上昇の48・4だった。

大和総研の神田慶司シニアエコノミストは「無観客観戦になったため、消費の中心は飲食となった。巣ごもり需要でスーパーに買い物に行く頻度が増えたことに加えて、単価を上げるような“プチぜいたく”の動きも広がっている。宅配やテークアウトも好調で、それを家で楽しむ消費が増えている」とみる。

五輪の開催国は、本来であれば競技場の建設投資やインバウンドによる経済効果が大きい。新国立競技場は2019年に完成するなど効果は過去のものになった上、コロナ禍でインバウンド関連消費もなくなり、巣ごもり需要があったとはいえ当初期待されたような経済効果はなかった。

だが、大会期間中に株価が上がったことからも、スポーツの力がマインド面にはプラスに働いたようだ。

日刊工業新聞2021年8月13日

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金メダル 株価

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