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NTT東日本「地域密着コンサル」で新会社発足へ。社長が描く展望

NTT東日本は、法人の業務分析などを手がけるコンサルティング会社を1―2年後に立ち上げる方針を示した。「グループ全体の売り上げ拡大につながる先兵」(井上福造社長)と位置付け、通信関連商材との相乗効果を見込む。地域密着型の組織とすることで、他のコンサル事業者と差別化する。この観点で、地方銀行や信用金庫といった地域金融機関との連携も模索する。

地銀と連携探る

井上社長は「(ビジネスの)上流と下流を握りたい。アクセンチュア(東京都港区)や野村総合研究所(NRI)のような世界だ」とした。

NRIなどはコンサルタントが顧客企業の問題を発見し、課題解決策としてシステム構築(SI)を提案している。NTT東は営業活動の一環でコンサルを行う例があるが、「しっかり収益化したい。仮想私設網(VPN)を売るために業務分析を行うのは過剰営業という気もする」(井上社長)。

一方で井上社長は「(コンサル単体では)大きく稼げなくても、ビジネスの種をつくる役割と思っている」と述べ、通信ネットワークやコールセンターなどの需要を掘り起こす機会になり得るとした。

他社との差別化については「地域に骨をうずめる覚悟のあるプレーヤーは、そんなにいない。特に(NTT東が力を注ぐ)1次産業はそうしないとダメだ」と語った。

また、「金融機関がそういう(地域に根ざしたコンサルの)役割を果たしてきた部分もある」と分析。地銀や信金と連携していく可能性を示した。

インタビュー/社長・井上福造氏 接続ビジネスでBPO支援

井上福造社長に事業環境の認識や今後の経営戦略などを聞いた。(編集委員・斎藤弘和)

―足元の環境は。

「(2022年3月期は)光回線を控えめに40万純増で計画し、21年4―6月期は18万ちょっとで着地した。デジタル化やオンライン化の流れが継続して拡大している。ワクチンの接種が拡大して経済が回復してくれば、デジタル変革(DX)への投資も高まる。それに伴って光のネットワークも(純増数が)ついてくる。しっかり取りこぼしのないようにやっていきたい」

―ビルの屋上に第5世代通信(5G)基地局を設置したい通信事業者向けに、光回線設備の接続料金を従来の半額程度にする方針を示しました。狙いは。

「義務的な接続料という世界ではなく、接続ビジネスを発射台にして、業務委託(BPO)などをやるという意義がある。半額は痛いが、“前のめり”になって通信事業者のお手伝いをする。ネットワークの導入や運用に関するBPOの需要は結構、出てきている」

―他の通信料や手数料の引き下げについてはどう考えますか。

「オンラインは社会に必須の機能になった。安くて良いものを提供していかねばならない。安くすることによって多様な用途が出てくる中で、関連する保守やBPOをしっかりやる。我々の市場である地域社会はIT人材が少ないと言われており、そこのニーズは強い。回線に依存しない事業にしていく」

日刊工業新聞2021年8月3日

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