医薬品の商品情報をスマホで翻訳!eBASEがコロナ後へ先手
eBASEは、ドラッグストアに来店した外国人客が多言語で医薬品などの商品情報を検索できるアプリケーション(応用ソフト)を開発した。言語サービスを手がけるアスカコーポレーション(大阪市中央区)の人工知能(AI)機械翻訳機能を活用し、医薬品や日用・化粧品など計12万点程度の情報を提供する。ドラッグストアの成長をけん引してきたインバウンド(訪日外国人)需要は急減したが、アフターコロナを見越し、先手を打つ。
eBASEが9月初旬に提供を始めるのは「ドラッグストア・ナビ」。対応言語は英語、中国語、韓国語。来店した外国人客が自身のスマートフォンのアプリ内カメラで店頭商品のバーコードを読み取ると、使用言語で商品の特徴や説明、利用方法などを無料で確認できる。
ドラッグストア1社当たりのサービス利用料は基本利用料が月額48万―120万円、ドラッグストア・ナビの利用料が同50万円(いずれも消費税抜き)。eBASEは同ナビ関連で3年後をめどに1億円の販売を目指す。
従来、店頭に並ぶ1万点以上に及ぶ商品の翻訳は難しかったが、eBASEが運営する医薬品、日用・化粧品の製品データプールサービスと、アスカコーポのAI翻訳を組み合わせて実現した。
急減したインバウンド需要だが、観光庁は「観光ビジョン実現プログラム2020」で策定した30年の訪日外国人数6000万人、インバウンドの消費額15兆円の目標を変更していない。25年の「大阪・関西万博」も見据え、システム浸透には2―3年程度必要とみることもあり、ドラッグストアの“リベンジ消費”を支える仕掛けを早めに施す。
日刊工業新聞2021年8月5日