住宅業界に立ちはだかる“コスト削減”の壁、垣根を越え突破だ!

部材・部品情報の共通管理が浸透するか、注目が集まっている

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メンテナンスやリフォーム需要拡大が見込まれる一方で、資材の管理は大きな課題だ
 住宅業界に共通プラットフォームのしくみは根付くのか―。国内の住宅市場でメンテナンスやリフォームの需要が拡大している。一方、そこで使用する部材や部品の情報管理の煩雑さが、業界の大きな悩みの種だ。解決策として、競合各社のデータベースをクラウド上で共通化する試みが動き始めた。既に大和ハウス工業やパナソニックホームズが利用し始め、業界に一石を投じている。

クラウド活用


 住宅用の部材・部品サプライヤーは、取引先の住宅メーカー各社とデータでやりとりする。関連するデータにはテキストや画像などが混在する。形式が異なるデータを一括でやりとりし、社内システムに連携するのは、かなり煩雑な作業だ。

さらに部材や部品の情報は、設計変更などで度々更新される。サプライヤーはこの煩雑な作業を各住宅メーカー向けに繰り返し、住宅メーカー側もその都度対応しないといけない。効率が悪く、現場の負担も重い。

検索しやすく


 この課題を解決するため、データベースソフトベンダーのeBASEが、「住宅えびす」というクラウドサービスを6月に始めた。クラウド上に共通データベースを用意し、サプライヤーは自社の部材や部品の情報を登録する。住宅メーカー各社はそこから情報をダウンロードし、社内システムに連携できる。これにより一連の作業負担を軽減でき、コスト削減が見込める。大和ハウス工業、パナソニックホームズが利用を始めた。

 データベースの共通化により、検索しやすくなるのは大きなメリット。部材や部品の種類は膨大な数に上り、業界全体で十分に把握されていないからだ。

 かつて多くの住宅メーカーはオリジナルの部材や部品を展開することで、他社と差別化してきた。ただオリジナル品は汎用品と比べ長期管理していないことも多く、急ぎ修理したいのに部材や部品を調達できない、という問題も出ている。他社代替品で対応するにも、そもそも検索できないのが現状だ。eBASEの窪田勝康取締役は「N対N(多対多)のプラットフォームによって、業界の整理できていないものをまとめたい」と話す。

競合各社連携


 新築住宅の着工件数が年々減少する中、メンテナンスやリフォームの市場拡大が期待される。そこに使う部材や部品の管理効率化は、コスト削減に直結する重要な戦略だ。
(文=大阪・園尾雅之)
          

日刊工業新聞2018年10月10日

COMMENT

これまで住宅業界では、競合各社の連携が少なかった。パナソニックホームズの永田博彦顧問は「コスト削減は各社共通の課題。もっと協力を深めたい」と強調する。共通データベースの活用が業界に広がるか、今後に注目が集まる。(大阪・園尾雅之)

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