大成建設、「デザイン」と「ラボ」融合した組織発足の狙い

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大成建設は多様化する顧客ニーズに対応するため、デザインとラボの機能を持つ設計チームで、建物や都市計画などのプロジェクトを策定する。新型コロナウイルス感染症や国連の持続可能な開発目標(SDGs)など社会を取り巻く環境の変化に即応する。設計業務を他分野との連携やデジタル技術を駆使することで、社会変化に対応する提案型プロジェクトの創出につなげ、高付加価値なモノ・サービスの提供を目指す。

大成建設は設計の「デザイン」と研究開発を担う「ラボ」の機能を持つ社内外横断的な設計チームとして、「先端デザイン室(FDL)」を設計本部に設置した。同社は約1年前から設計担当者らがFDLの業務を試行してきた。建設意匠、構造、環境、都市計画など各分野の専門性を持つ担当者で構成する。

FDLでは独自に蓄積したデータやデジタル技術の活用、多分野との横断型連携により、従来の高品質な建築物・工法に加え、エリア開発・まちづくり、都市・交通計画のデザインやコンサルティング、社内外との連携による事業・プロジェクトの計画策定など幅広い分野で展開する。さらに創出したプロジェクトにより、新たな顧客獲得につなげる。

FDLが担う「デザイン」は、建築分野だけではなく、都市・周辺環境にも領域を拡大する。「ラボ」についても、大規模再開発事業を手がける同社都市開発本部との連携や、社外とプロジェクトの展開なども積極的に進める。

また、FDLは「モノ」「コト」「情報」の三つの観点から、建築や都市デザインに着手する。「モノ」は新素材・新工法、カーボンニュートラルなどの新技術や新商品。「コト」はコミュニケーションデザインやWELL―BEING(幸福感)など人に関連する取り組み。

「情報」はデザインで解決を目指す設計として、人工知能(AI)・IoT(モノのインターネット)、現実空間をサイバー(仮想)空間に再現するデジタルツインなどの手法。この3領域を融合することで、スマートシティー(次世代環境都市)、「自然と建築」などの先端領域を創出する。

従来の建築設計は、用途別の請負業務が中心だった。FDLでは、顧客の期待を上回る提案・設計を提供することで、顧客満足度の向上と新規顧客の獲得を目指す。

日刊工業新聞2021年8月6日

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